2014年

8月

13日

肘~痛みを自分で治す方法と日常生活での注意点

≪肘~痛みを自分で治す方法と日常生活での注意点≫

●代表的な肘の痛み●

 ・腱鞘炎:
   手首や指の酷使によって腕の筋腱を使い過ぎたために起こる疾患のことをいいます。

   同じ動作を繰り返し行うことによって、腱鞘(筋肉の力を手や足に伝えるためのひも

   状の組織(腱)があり、腱は骨から浮き上がらないように「腱鞘」というトンネルの

   中を通っている)が炎症を起こして腱の滑りが悪くなり、指を動かす度に痛みが発生

   するというものです。うまく手や指を動かすことができなかったり、動かしたときに

  「ポキッ」「コリッ」など、不自然な音がするという症状があります。

 ・変形性関節症:
   スポーツや重労働による肘関節の酷使や加齢、肘関節内骨折などの肘関節外傷や関節

   炎により、肘関節が変形することをいいます。関節の中の軟骨や骨がすり減ってしま

   い負担をかけ、結果的に関節が変形していきます。進行性があるのが特徴です。ま

   た、変形した関節に棘(とげ)ができたり、骨の一部がはがれて「関節遊離体(別

   名:関節鼠)」となり、関節の中を動き回るため、動かすときに激痛が走ることもあ

   ります。近年はパソコンなどの普及により、その発生率は上昇傾向です。症状として

   は、安静時にはほとんど痛みはありませんが、肘を動かした後に痛くなることが多い

   です。
 ・肘部管症候群:
   別名を「遅発性尺骨神経麻痺」といいます。尺骨神経(肘から手首に伸びている2本

   の骨のうちの小指側の骨に通っている神経)が、外傷がもとでの肘の変形や変形性関

   節症、腫瘍(ガングリオンなど)からの骨棘などで圧迫されることによって起こりま

   す。症状としては、手指にシビレなどが起きて、特に薬指と小指にシビレを感じたり

   知覚異常がでます。ひどくなると、曲がったまま伸ばせなくなることもあり、肘の内

   側を押すと手指にビーンとシビレが走ります。

 ・肘内障:
   2~4歳くらいの子供に多く発生し、手を強く引っ張ったり捻ったときに、腕がだ

   らっとして「肘が抜けた」ようになることをいいます。このとき関節内では、肘関節

   の尺骨と橈骨にくっついている橈骨輪状靭帯から、橈骨頭(肘の外側の骨)がはずれ

   かかった状態になっています。症状としては、痛がって腕を下げたままで動かさなく

   なります。

 ・上腕骨外側上顆炎(テニス肘):
   肘の外側にある、骨の隆起部分についている筋肉(前腕伸筋群:手首を返す筋肉群)

   の使いすぎによる炎症のことをいいます。手のひらを内側に返すときのような手首を

   内反回転させる動きの負荷によって起こり、日常生活においては、物をつかんで上に

   持ち上げる動作やタオルを絞るをする際に、肘の外側から前腕にかけて痛みが痛みが

   出ます。ただし多くの場合、安静時での痛みはありません。

 ・上腕骨内側上顆炎(野球肘・ゴルフ肘):
   手を酷使することによって、前腕屈筋群(手首を手の平側に曲げる筋肉群)に慢性の

   外的刺激が加わり、屈筋・回内(ドアノブを握って内側にひねる動作)など手の平を

   外にむける時のような動作の負荷によって、腱繊維の微小亀裂や炎症が生じることを

   いいます。原因としては、肘への負荷が過剰になることにより、外側で骨同士がぶつ

   かり、肘の内側の隆起部分の骨や軟骨が剥がれたり痛んだりするためです。その結果

   肘の内側でも、靭帯や腱や軟骨も痛みます。症状としては、物をすくいあげるように 

   物を持ち上げたり、手に力を入れる動作時に痛みが出ます。肘の内側に痛みを感じる

   ようになり、ひどくなると、肘の伸びや曲がりが悪くなり動かせなくなります。

 ・上腕三頭筋腱炎:
   腕にある上腕三頭筋(肘を伸ばす筋肉)の付け根である肘の使いすぎやケガなどに

   よって、その部分が炎症を起こすことをいいます。これは、上腕三頭筋は腱となって

   肘関節の肘頭(肘の後ろの突起部分)についており、そこが何度も引っ張られて微小

   の損傷が起きて炎症を起こしている状態です。症状としては、腕や手首を伸ばす際に

   関節痛があります。

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