2015年

5月

28日

手~痛みを自分で治す方法と日常生活での注意点

 

●代表的な手の痛み●

 

  ○ド・ケルバン(狭窄性腱鞘炎):

 

  中年女性に多く、手指の使いすぎによって親指の付け根の部分から手首の親指側にかけて痛みを生じるものをいいます。これは、手首の親指側に突出している骨の部分(橈骨茎状突起)の上を走る腱(短母指伸筋と長母指外転筋)を囲んでいるトンネル部分(腱鞘)で炎症を起こすことにより発生します。症状としては、圧痛(押すと痛い)があり、物を握る動作時などに痛みや違和感があります。

 

  ○手根管症候群:

 

   妊娠・出産期や更年期の女性に多く、特発性のもので原因は不明です。初期に人差し指と中指にシビレや痛みが出てきます。ひどくなると、親指から薬指の親指側3本半にシビレや痛みを感じるようになり、特に明け方に多く発症します。手を振ったり指を曲げ伸ばしするとシビレや痛みが楽になりますが、手にこわばり感を感じます。また進行すると、3指の感覚は鈍くなり親指を十分に開くことも困難になります(つまみ動作不良)。病態は、正中神経(手首にある神経)が手首にある手根管というトンネルで圧迫された状態であり、それに手首の運動が加わることによって生じます。  

 

  ○手背のガングリオン:

 

   別関節の周辺や腱鞘のある場所に米粒大からピンポン玉台の腫瘤ができることをいいます。手首周辺部に特に多く発症し、通常は無症状のことが多いのですが、神経の近くにできたりすると神経を圧迫して、痛みやシビレが出ることがあります。手の使いすぎによって大きくなることもあります。

 

 ○キーンベック病(月状骨軟化症):

 

   原因は不明ですが、大工や鍛冶屋など手をよく使う職業で青年壮の男性に多くみられ、これは月状骨(手首に8つある手根骨の中のひとつで中央に位置する骨)が潰れて扁平化したものをいいます。手の使いすぎによって月状骨に過剰な負荷がかかることによって起こる場合もあります。症状としては、手を使った後に手首に痛みと腫脹がみられ、握力が低下し手首の動きも悪くなります。

 

  ○変形性手関節症:

 

   女性は男性に比べて10倍ほど多く発生すると言われており、加齢や手を激しく使う仕事を長年繰り返し負荷をかけたことによって、軟骨がすり減ったり骨の変形が生じたりすることをいいます。症状としては、長時間の作業など無理をした後に痛みが出てきて、進行するにつれて手首の動きの制限もみられます。

 

 ○ばね指(弾発指):

 

   中年女性に多く手指に起きる代表的な腱鞘炎の一つです。これは屈筋健(指を曲げる時に使う腱)、もしくは腱鞘(腱が浮き上がらないように抑えているトンネル)が炎症を起こしているものをいいます。親指や中指の付け根になることが多く、仕事や家事などで指を頻繁に動かし、酷使する人がなりやすい傾向です。原因としては、手指の使いすぎによるものがほとんどですが、産後や更年期などのホルモンバランスの乱れによるものや、加齢によってなるものもあります。症状としては、指を曲げる時に違和感を感じたり、ビーンとつっぱるような痛みを感じます。炎症により指の付け根に腫れや熱感も出てくる場合もあり、ひどくなると指が曲がったまま伸びなくなるという症状も出てきます。

 

  ○へバーデン結節(遠位指節間関節症)・ブシャール結節(近位指節間関節症):

 

   へバーデン結節は、指の第1関節が変形して曲がってしまう原因不明の疾患です。第1関節の背側(手の甲側)の中央の伸筋腱付着部を挟んで2つのコブ(結節)ができるのが特徴です。40歳以降の女性に多く発生し、手をよく使う人にはなりやすい傾向があります。症状としては、人差し指から小指にかけての第1関節が赤く腫れたり変形したりして、痛みにより強く握ることが困難になります。

 

   ブシャール結節は、指の第2関節が変形して曲がってしまう疾患です。これは、第2関節の背側部分にコブ(結節)ができます。症状としては、第2関節が赤く腫れて変形し、痛みを伴って運動制限が出てきます。

 

  ○母指CM関節症(母指手根中手関節症):

 

   高齢の女性に多く母指の手前の甲の骨(第1中手骨)と手首の小さい骨(大菱形骨)の間の関節(第1手根中手関節:CM関節)の使いすぎや加齢によって関節軟骨の摩擦の起きやすくなり、亜脱臼して変形する疾患のことをいいます。症状としては、物をつまむ動作などで親指に強い力が加わると、手首の親指の付け根部分に痛みを生じて、進行すると、親指の付着部分が膨らんできて、親指は開きにくくなります。

 

 ○突き指:

 

   これは、スポーツ時や日常生活の中でボールを受け損なったり転倒したりして指を突いたときに発生するものをいいます。突き指は、指の関節周辺のケガの総称であり、実際には靭帯損傷・腱損傷・脱臼・軟骨損傷・骨折などさまざまな外傷が含まれています。一般的に軽いケガと思われがちですが、いつまでも腫れや痛みが残ったり変形による運動障害が起こることもありますので、早期の専門医への受診をお勧めします。

 

  ○デュピュイトラン拘縮:

 

   高齢男性に多くみられ、手掌腱膜(手の平にある腱膜)が肥厚に収縮することによって、薬指と小指が伸ばせなくなる疾患のことをいいます。症状として、痛みや腫れなどはできませんが、皮膚がひきつれて徐々に伸ばしにくくなります。

 

 ○ボタン穴変形・スワンネック変形

 

    ボタン穴変形は、外傷やリウマチなどの指の第2関節の炎症が続くことによって、指の伸展(伸ばす動き)が障害されて起こる変形のことをいいます。これは、指の背側(手の甲側)の関節包が引き伸ばされて腱が避け、骨が飛び出してしまい、ボタンの穴のような変形になるのが特徴です。

 

   スワンネック変形とは、指の付け根の関節(第1関節)と指先の関節が曲がって、中央の関節がまっすぐに伸びている状態をいいます。原因の多くは関節リウマチによるものですが、ケガをして腱が傷ついたり断裂して骨からはずれたりして起こる「つち指」を放置した場合などによるものもあります。

 

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