腱鞘炎の治療方法

腱鞘炎ってなに?

関節を動かすのは筋肉であり、その筋肉の力を手や足に伝えるためのひも状の組織(腱)があります。腱は骨から浮き上がらないように「腱鞘」というトンネルの中を通っていて、この腱と腱鞘の間に起きた炎症を「腱鞘炎」といいます。手指を動かすときは、腱が腱鞘の中を往復するように移動するため、その際に腱と腱鞘がこすれ合い腱や指の付け根部分に炎症が起きます。

 

腱鞘炎とはどんな症状?

 ・物をつかんだり、握ったりするときに強い痛みを感じる。

 ・うまく手や指を動かすことができない。(力が入らない。)

 ・なんとなく動かすとダルさを感じる。

 ・動かしたときに「ポキッ」「コリッ」など、不自然な音がする。

 ・痛みはないが、手首や指の付け根が腫れている。

 ・手指に熱感を感じる。

 

腱鞘炎は放っておくと大変!!

 腱鞘炎も放置しておくと、痛みや症状はどんどん進んでしまいます。

 初期:手や指を使っているとき不快感を感じ、瞬間的な痛みがある。痛い部分を押さ

    えると確かに痛みはあるが、はっきりわからない程度

 中期:痛い部分があるとはっきりわかるようになり、手や指を使った後にも連続的な痛

    みを感じる。日常生活動作(重いものを掴む時、フライパンを持ち上げる時、

    包丁を持つ時、赤ちゃんを抱っこする時、字を書く時、パソコン・スマホ操作を 

    する時など)においても痛みを感じるようになる。

 末期:血流循環の悪化により神経が麻痺するため、痛みを感じなくなる。

*腱鞘炎は再発を起こしやすく、繰り返せば繰り返すほど慢性化し、日常生活にも様々な         

 悪影響を及ぼします。末期になれば、手術になる可能性もあります。

 

腱鞘炎の治療方法は?

 ・冷やす・温める

   冷やすとき:初期症状や手指を使って痛い部分に熱を持った場合

   温めるとき:作業を行う前や慢性的(何回も同じ痛みを繰り返す)な痛みの場合

 ・手や指を酷使しすぎず、過度の利用をおさえる

 ・テーピング固定、サポーターの利用

 ・手術

 ・薬剤の使用(ステロイド注射、シップ等)

 ・身体の運動(指、肩の運動とストレッチ)

   指:まずは肘を曲げて顔の前で両手を合わせる。次に指の腹と腹をくっつける。

     指の腹と腹をしっかりくっつけた状態で10秒間キープする。(3セット)

   肩:まずは肘を伸ばして両手を横に広げる。(肩の位置まで上げる)耳と腕がくっつ

     くところまで上げた状態で5秒間キープする。(3セット)

 

まとめ

 腱鞘炎とは、日常生活にとても身近なものであり、これで悩んでる人は非常に多いです。

 放置してひどくなると、様々な所に悪影響を及ぼします。「腱鞘炎かな?」と思い当たる

 症状がありましたら、早めの正しい対処が大切です。

 もし、お困りの方がいらっしゃいましたら、専門科にご相談下さい。